濃縮された情報か、薄くて大量の情報か
2009年11月30日
飲み物とおんなじで、情報も濃い~方がウマい。
例えばコミュニケーション。しない人はいないはず。
何かを伝えようとする時、やたらと喋ってしまう事がないだろうか。
いや。聞き手がこちらの話をぐいぐい聞き込んでくれるなら、
それはそれでOKでしょう。
しかし百発百中でそんなことはなくて、
「あらら、なんかハズしてるよね?」と感じる時は、
やっぱりハズしている。間違いない。
喋りすぎは危険信号だ。ハズしてるという感覚も危険信号。
「ハイ。」「いいえ。」「そうですね。」くらいの答えしか返ってこないのは、そのシグナル。
こういう時は大抵、「本当は何がポイントか、実際何を実現したいのか?」を、
話している自分自身が分かってない。
だから、端的に表現できない。
一言で表現できないから、説明しながら言葉を探しつつ、どんどんうっす~い情報を発信する。
これはものすごく薄い水割りみたいなもんで、なかなか酔わない。
そうこうして、時間と言葉を費やして説明してる間に、
聞いてる方はハラいっぱいになって嫌になってくる。
そりゃそうである。ウマくないし、酔わないし。もうおなかいっぱいで飲めませんと。
「いやだって、聞き手が興味を持って聞いてくれないんだもん!!」
といっても、それはこっちの責任。相手も脳内メモリがカツカツの中で、
私の話を聞く時間をとってくれただけでも感謝。
自分の考えをきっちり整理できていて(←ここ基本)、
どうすれば聞き手が興味をもってくれるか?行動を起してくれるか?(←この視点が大事)
これが整理できていれば、濃い~情報がつたえられるんじゃないだろうか?
つまり、考えをまずは整理しながら、聞き手の視点に立ってみる。
「それが私(聞き手)にとってどう関係するの?」
「それが私にとってどんなベネフィットがあるの?」
「で、何なの?」
これに答えるだけで、つまり、相手の視点に立つだけで情報濃度が上がるはず。
あとは、それをどうやって、相手が興味を持ってくれそうな話にできるかだ。
情報は多いよりも、濃い~方がイイ。ひとはウマいものが好きだ。
ちなみに、濃い~くてウマい情報の作り方に最適なレシピを発見。
これが、参考になるかもしれない。
単純明快であるか (Simple)
意外性があるか (Unexpected)
具体的であるか (Concrete)
信頼性があるか (Credible)
感情に訴えるか (Emotional)
物語性があるか (Story)
これは“Made To Stick”(邦題 アイデアのちから)のもくじからの引用。
上のそれぞれの項目ごとに、詳細な解説と、その事例がてんこ盛りのパワフルな本です。

アイデアのちから
チップ・ハース (著), ダン・ハース (著), 飯岡 美紀 (翻訳)
そういえば。
この本を買う前に、試し読み効果もありそうなエントリがあったので、よかったらこちらもどうぞ。
なぜ話を伝える際に「簡単化」しなければいけないか?
プレゼンが激変。スライドを作る方は、ご一読を。
2009年10月30日
気がつけば18日も。。。すみません。いしざわです。
いろいろとテンパり気味のため、ずいぶんと更新をサボっておりました。。。
気を取り直して、今日は書籍のご紹介。プレゼンスライドを作って、講演をされている先生にとっては、必読の書です。一歩進んだプレゼンができるようになるはずです。特にSteve Jobsのような、理解しやすく、情熱にあふれたプレゼンがしたいひとにとっては。
して、その本は、『Presentation ZEN』。

これは断言します。読むだけで、プレゼンが良くなります。
この本は、たまたま先輩から、「コレいいよ」ってことで貸して頂きました。
約2年ぶりにプレゼンスライドを作らなきゃならんという時だったので、ナイスタイミング。
さてさて。プレゼン・スライドというと、文字の羅列、読み取りづらいチャートの連続。
文字だらけでしかも細かすぎて読む気にならず、これが昼飯の後だったりすると、
いい具合に睡眠導入剤になってくれると…。
考えてみてください。これまでのプレゼンってのは、極端に言うと、400字詰めの原稿用紙をプロジェクタで投影して、遠くに座ってる人に、それを読ませながら、しかも、プレゼンターはその原稿に対してごちゃごちゃ言ってるわけです。それを理解しろってのが無理なわけで。
とはいえ、作ってるこちら側としては、「文字やチャートで全部書かれているから、これで理解不能なんてこた無いだろう!!」
と自信満々なんですが・・・。しかしなかなか、そんな、うまいこといかないもんですよね。
で、コレを読んで、それが何でこのギャップがあるのかが、はっきり分かりました。
そもそも、「スライド」を使う上での、伝達手法が間違ってたわけです。
プレゼンターはスピーチしながら、スライドの中の文章やグラフ・チャートを見せてくる。しかも1スライドに詰め込んだ大量の情報をぶちまけてくるわけです。一方、オーディエンスは、聴覚でスピーチを聞き、同時に視覚&左脳を使いながら文字の読解と分析を求められるわけです。もはや脳の空きメモリはありません。自由な発想が広がるための空きスペースが、ないわけです。その時点でパンパンです。で、閾値を越えると、フツーなら、「もういいや」となってしまう。
じゃ、それを変えていきましょうね。というのがこの本の主題。
文字を読ませるのではなく、文字すらもビジュアルとして見せてしまう。
そして、相手がイメージしやすい・好奇心を掻き立てる形で表現し、オーディエンスに感動やひらめきや、共感を与えながら、記憶に情報を残していくと。
そこには、「人間はどんなものに好奇心を抱くのか?」ということの研究を
プレゼンテーションに反映させて、この形になったんだと思います。
このスタイルを真似れば、「文字を読ませて理解を促そう」という考えは完全に吹っ飛びます。
か・な・り、おすすめです。
ちなみに、ちょっと本筋から外れますが・・・。
自分でスライドを作っていて、
「なんか、かっこわりぃスライドになっちまったなぁ」
とか、
「あれぇ…?なんかイケてないなぁ」
って感じること、ありませんか?わたしはかなり、そんな体験ありました。
で、これ読んでみて、わかりましたよ。
ポイントはいくつも紹介されてましたが、そのうちのひとつ。
スライド全体の背景と、貼り付けた写真の背景が調和を取れてるか?ってことです。
これだけでだいぶ印象が変わるはずです。
すっごい極端な例を示しますね。
ハイ。つっこみどころ満載のスライドの出来上がりです~。

これ↑よりは、やっぱりこっち↓のほうが、キレイですよね。

写真の貼り付けも同様です。

なんかイケてないですよね?浮いてますね、写真。これが「だっせぇな」って思ってしまう正体。まわりとの調和がとれてない。
なんかこっち↓のほうが、カッコイイ。と思いません?

これを読めば、こんな気づきがたくさんあるはずです。
いやしかし。この本からのかなり学びがありました。
しかも、その直後に実際のプレゼンがあったので、その効果を実感することができました。
(もちろん!!寝てるかたはいらっしゃらなかったです。はい)
そのあとのディスカッションでも手ごたえを感じることができました。
では、この本の話にもどりますが、この本でもっとも重要なことはこれ。
スライドを作る前に、「何をいうか?」を自分の頭のなかでクリアにすること。です。
(当たり前かもしれませんが)
「で、なんなの?」
「それはわたしたち(聴衆)にとって、どんな関係があるの?」
と、常に自分にツッコみ続ける必要があるんですね。
どう見せるか
ではなく、
まず、何を見せるか?
そして「スライド」を読ませるのではない。
まずは伝えたいことがあって、その伝えたいことをビジュアルイメージや、キーワードにのせて、「見せながら」コミュニケーションすると。
コミュニケーションといっても、相手からのリアクションはありません。表情とかあいづちだけです。
いわゆる双方向ではないですが、聴衆の脳は反応しているはず。
要はスライドやこちらのスピーチを通して「聴衆の脳」と直接コミュニケートするという感じでしょうか?
で、これを実現するためには、まずは作り手の考えがクリアにならない限り、スライドを作らない。
クリアになるまで、PCに向かうのではなく、ペンとノートで自分と格闘すると。
一人ブレストであったり、マインドマップへのまとめであったり。いろんな手法がありますよね。
これこそが、プレゼンテーション「禅」の道なのです。


